第5章 ミッション失敗…?
「え───!?なんじゃコリャ!!」
「キッタネータケミっち!!さっきゴミに突っ込んだ時だ!」
「なんでもっと早く言ってくんないんスか!!?」
「だってすげー真剣なんだモン」
マイキーは涙を浮かべて爆笑する。
「真剣って!!そりゃ二人が」
「逃げろケンチン。ウンコが来んぞ!!」
「臭っせっ」
二人はいつものように笑い合い、タケミチから逃げる。
「しかし頭臭っせーな。これどうやって取れば…」
「「……………」」
「逃げんなよオマエら!!」
千堂達もタケミチから距離を取る。
「(仲直り…したのかな?)」
「カノト…」
タケミチがこちらを振り向く。
「洗うまで近寄らないで」
「ヒデェ…」
タケミチはしくしくと涙を流す。
「皆ひでぇよ!!!」
そこに賑やかな笑い声が響いた。
✤ ✤ ✤
「笑ったなぁ」
「久しぶりに超笑った!」
「髪洗いましたから!」
あの後、お風呂場でしっかりと髪を洗ったタケミチはカノトから貰ったモナカ饅頭を冷蔵庫にしまい、公園に移動した。
「オレが悪かったよマイキー」
「ううん。オレの方こそゴメン」
「でも二人は何でケンカなんか?」
「「………。忘れた。」」
寝転がっていたマイキーが立ち上がる。
「でも正しいのはケンチンだ。パーは自首したんだもんな」
「……………」
お金を使ってパーちんを助けたかったマイキー。パーちんの覚悟を尊重したドラケン。どちらも曲げられないモノがあるから喧嘩になってしまったのだろう。
「パーが出てきたらいっぱいお祝いしよーな」
マイキーは笑う。
「なぁカノちゃん」
「ん?」
「やっぱ東卍ってかっこいいな」
「…うん。そうだね」
サッカーをしている千堂達に交ざって遊ぶマイキーとドラケンを見ながら言った。
「ねぇ、二人が仲直りしたって事はさ…抗争は起きないよね?」
「…8月3日にドラケンは死なない」
「タケミチくん」
「カノちゃん」
二人は驚いた顔をして
「「ミッション成功だ!!!」」
嬉しそうに喜んだ。
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