第40章 これからもずっと傍に(♥)
「…………っ」
ケースの中には黄色のムーンストーンが埋め込まれた銀色の指輪が入っていた。
「これ……」
「指輪は流石に重いかなって思ったんだけどさ、この先もずっと一緒にいたいのはオマエなんだ。あ、"この先"って言うのは、オレらが結婚して大人になって、お互いに歳をとって、いつか死ぬその日までな。だから"一生傍にいる"っていう『誓い』も込めて指輪を選んだんだ」
カノトは驚いた顔で指輪を見つめたまま、動かない。不安になったマイキーの表情も沈んでいく。
「…やっぱり重い?指輪はやだった?もしかして、サプライズ失敗した…?」
「いいえ…重くなんてないです」
「じゃあ…嬉しすぎて言葉が出でこない?」
「──っ……万次郎くん、好き…っ!」
嬉しさの余り涙を浮かべたカノトはマイキーに抱き着いた。飛び込んできたカノトを両手で受け止め、ギュッと抱きしめる。マイキーの顔がどこか安心したように緩められた。
「サプライズ大成功だな。オレも好き。」
「こんな素敵なサプライズなんて聞いてません…!私の想像を遥かに超えた誕生日プレゼントだったんですけど…!」
「オマエを喜ばせるって言っただろ。ちなみにオレとペアな」
「!」
「ネックレスに通して持ち歩こうよ」
「ペア…万次郎くんと…お揃い。」
「(あーすげえ幸せそうに笑うな。やっぱり指輪にして正解だった。めちゃくちゃ喜んでくれて嬉しい。可愛いを通り越して愛しさMAX…!!)」
ニマニマと指輪を眺めるカノトを見てマイキーは悶絶する。
「カノ、オレと出逢ってくれて、オレを好きになってくれてありがとう。これからもオレの傍にいてくれ」
「こちらこそ、私と出逢ってくれて、私を好きになってくれてありがとうございます万次郎くん。最高の誕生日になりました!」
「また二人で思い出作っていこうな」
「はい!」
手を繋ぎ、笑い合う。
「じゃあオレにちゅーして♥」
「……………」
「ちゅーして、カノ」
「…いいですよ」
自分から唇を重ねると嬉しそうに笑うマイキー。カノトは指輪を掌の中で握り締め、最高の誕生日として記憶に残すのだった。
next…