第4章 冷たい拒絶
「あの……」
険悪な二人の空気に思わず口を挟む。するとマイキーの冷たい視線が突き刺さった。
「っ…………」
「口出しすんなっつったよな?」
「口出しじゃなくて…」
「もしかしてオマエもケンチンの味方すんの?」
「え?」
「オマエはオレの味方してくれんじゃないの?」
「僕はどちらの味方も…するつもりはありません」
「はぁー…オマエほんとメンドくせぇな」
その態度にカチンときたカノトは言い返す。
「マイキーくんの方がよっぽど面倒臭いです」
「あ?」
苛立ちを含んだ声と顔でカノトを見るマイキーにドラケンが口を挟んだ。
「その目で見てやんなよマイキー」
マイキーも表情を無くした顔でドラケンを見る。
「コイツ怯えてんじゃねーか」
「……………」
ドラケンがカノトを庇った事が気に食わないのか、マイキーは眉間に皺を寄せた顔でドラケンから顔を逸らした。
「内輪モメしてるトコ悪ぃーんだけどさぁ、“愛美愛主”“愛美愛主”ってよー。ウチの名前連呼すんのやめてくんねー」
櫛で髪を整える男がそう言った。
「中坊どもがよー」
「?」
「テメーは」
パーちんが男を見て驚いた顔を浮かべる。
「長内!!!」
「騒ぐなチ●カス」
愛美愛主 八代目総長
長内 信高
「(え!?)」
「(あの長内!!?)」
二人は顔を見合わせて驚く。
「…てめええ」
「君ぃ2コ上なんだからよ、手前様って言えよぉお」
ビッと櫛をパーちんに突きつける。その態度にブチ切れたパーちんが長内に向かって走り出す。
「オラァッ」
振り下ろしたパンチは長内に躱されてしまい、逆に長内の放つパンチがパーちんの顔面にクリーンヒットした。
「はい♥所詮中坊レベルぅー」
吹っ飛んだパーちんは地面に倒れ込んだ。
「パーちん!!」
「(この人、強い…!!)」
「“東京卍會”?名前変えろよ“中坊連合”によぉ。なんか愛美愛主に喧嘩売るって聞ぃてなぁ」
パチンと指を鳴らす。すると外で待機していた愛美愛主のメンバーがぞろぞろと集結した。
「こっちから出向いてやったワケ♥」
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