第4章 冷たい拒絶
「タケミチくん!!」
そこには既にタケミチがいた。殴られたのか、顔が腫れ上がり、パーちんに胸ぐらを掴まれている。
「カノ…?」
マイキーが名前を呼ぶ。
「マイキーくん、お願いがあります…」
「…何?」
「愛主愛主との抗争を止めてください」
「…オマエもか」
マイキーは溜息を漏らす。そのピリついた空気にカノトはゴクリと喉を鳴らした。
「宮村テメェまで…ふざけてんのか?」
怖い顔のパーちんが苛立ちを含んだ声でカノトを睨む。タケミチの胸ぐらを離すと鬼気迫るオーラを纏わせながらカノトに近寄った。
「愛美愛主との抗争を止めろだァ?…ふざけやがって!!」
「……………」
「なら教えろよ。抗争を止めてほしい理由をよ。あァ!?」
キレているパーちんの額に青筋が浮き出る。その迫力に呑まれそうになるも、負けずにパーちんを見上げた。
「理由は…言えません」
ピキッ
「でもお願いします。愛美愛主との抗争を…止めてください」
ガッ
「!!」
パーちんに胸ぐらを掴まれ、足が爪先立ちになる。
「…黙れ。それ以上喋ると殺すぞ。テメェは何様だ宮村。不良でもねェただの優等生がオレらの世界に首突っ込んでんじゃねーぞ」
「(怖い…泣きそう。でも…)」
ギュッと拳を握りしめる。
「お願いします!!」
「っ………!!」
ブチ切れたパーちんは拳を振り上げた。
「カノト!!」
「(殴られる…!!)」
振り下ろされた拳に目を瞑る。
「パー!!」
顔に当たる寸前でマイキーの声が響く。それを聞いてピタッと拳を止めたパーちんはマイキーを見る。
「………チッ」
自分を見るマイキーの目に、舌打ちをし、パーちんはドンッとカノトを突き飛ばす。
「(マイキーくん…助けてくれた…?)」
よろけそうになったが何とか転ばずに済み、ホッと安堵の息を洩らした。
「タケミっち、カノ。お前らの話はわかった。愛美愛主とヤる。」
「「!」」
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