第37章 オレの『帰る場所』
「じゃあどうすればいいんだよ!?」
「万次郎、彼女に電話して」
「…出ねぇと思うけど」
「いいから」
「……………」
海凪に言われ、マイキーは携帯を出す。履歴からカノトの番号を探し、発信ボタンを押した。
Prii…
「……………」
Prii…
「やっぱり出ない」
数回コールが鳴るも、カノトが出ることはなかった。ピッと切ったマイキーは溜息を零す。
「アイツの携帯にGPSでも埋め込んでおけば良かった…!」
「何サラッと犯罪侵そうとしてんだ」
「余計に彼女に嫌われるわよ」
二人から冷めた視線を送られる。
「海凪…」
「何?」
「寝込み襲おうとして悪かった。未遂とは言え、オレ…お前にも最低なことしようとした」
「…次はないから」
「わかってる。てかもうしねぇよ。オレはもう、道を間違わない。オレの帰る場所は…いつだってアイツのところだから」
カノトのことを思い浮かべてマイキーは柔らかげに微笑む。
「なぁ、誰かアイツの居場所知ってる奴とかいねーのか?」
「…カノの兄貴なら、居場所知ってるかも」
「なら早くその人に…」
「でも連絡先知らねぇ…」
「カノの兄貴の連絡先知ってる奴はいねえの?」
「あ…タケミっちならもしかすると知ってっかも…!」
マイキーは急いでタケミチに電話をした。
《もしもし?マイキー君?》
「タケミっち!!マドカさんの連絡先知ってる!?」
《え?マドカさんですか?一応知ってますけど…》
「頼む!!教えてくれ!!」
マイキーの焦る声に何かを察したタケミチ。
《…分かりました。》
「サンキュ!!」
タケミチからマドカの連絡先を教えてもらったマイキーはすぐにマドカに電話を掛ける。
「(早くしねぇと嫌な予感がする。アイツがもう二度とオレのところに帰って来ないような…そんな気がするんだ。)」
『私、マイキーくんの傍を離れますね』
「(カノ…)」
マドカはまだ出ない。その間もマイキーはカノトのことが心配で気が気じゃなかった。
next…