第33章 すれ違い、こじれ始める。

「撮らせてくれたんじゃなくて気付いたら撮られて…！」



「んー？」



「…何でもないです。というかマイキーくん、その写メあんまり他の人に見せない方がいいと思いますよ」



「何で？オレの彼女すげー可愛いから自慢したいんだけど？」



"可愛い"と褒められ、微かに頬を染めて、うぐっと言葉を詰まらせる。



「その恋人が恥ずかしいから見せないでって顔を真っ赤にして照れてるかもしれないじゃないですか…」



照れた顔で視線を彷徨わせて言えば、マイキーは可笑しそうに声を押し殺して笑う。



「ぷっ…くくっ…そっか。確かに恥ずかしいから見せないでって顔を真っ赤にして照れてるかもしれねえもんなぁ」



「(うぅ…絶対分かっててやってる！)」



「ちなみにカノの待ち受けは何にしてんの？もしかして彼氏とか？」



「え!?」



「？彼氏じゃなくて彼女でしょ？」



「あーそうそう"カノジョ"。そのカノジョの待ち受けとかにしてんの？」



「(マイキーくんにしてるって知ってるクセに！ニヤニヤしながら聞いてくるのホントやめてほしいんだけど…！)」



「ね、どうなの？カノも恋人を待ち受けにしてんの？」



「し…してます、けど…」



「ふ〜ん。もしその"カノジョ"もオマエのこと待ち受けにしてたらペア画だな！ペア画にしてるとずっとラブラブでいられるってジンクスあんの知ってる？」



「…それは、知りませんでした」



「めっちゃ効くらしいよ。だからカノもその恋人とずっとラブラブでいられんな！だから絶対変えんなよ？」



「変える気ないので…」



「そっか」



照れ臭そうに小さい声で言えば、マイキーは嬉しそうに笑った。



「(私の大好きな人が待ち受け…。そのジンクスが本当に叶えばいいな。)」



「何でアンタが照れてんの？」



「こういう話は慣れてなくて…」



「それにしては顔が赤くなり過ぎよ」



「すみません…」



ジロッと恨めしげにマイキーを睨むと、彼は携帯を口許に当てたまま、口角を上げて機嫌良さそうな顔で笑っていた。



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