第33章 すれ違い、こじれ始める。
そんな二人を後ろから見ていた海凪は不思議そうに聞いた。
「距離近過ぎない?」
「え?」
気付けばマイキーの肩がカノトの肩に触れている。普段からマイキーとの距離感がバグってしまっている為、海凪に言われるまで気にしてなかったが、流石にまずいと思い、慌ててマイキーと距離を取る。
「そ、そうですよね!近いですよね!?ほらマイキーくん!ちょっと離れてください…!」
「は?何で離れる必要あんの?」
「距離が近いんですよ!」
「別にいーじゃん。いつもこれくらい近付いてんだろ。なに今更慌ててんの?」
「"いつも"…?」
「っ!ここお店ですから…!!」
海凪からの訝しげな視線に堪えられず、ぐいぐいとマイキーの腕を押し返す。
「なぁ何で離れんの。もっとこっち来て。一緒にケーキ選ぼ。カノの好きなケーキ知りたい」
「さっき教えたじゃないですか!」
腕を掴んで自分の方に引き寄せようとするマイキーに焦ってストップをかける。
「カノがオレを拒否る…」
離れてと言われたことがショックだったのか、マイキーはむっと顔をしかめ、拗ねたように言う。
「別に拒否ってませんよ。ちょっと距離が近いから離れてって言っただけです」
「それが拒否ってんの!あからさまに距離取ってんじゃん!オマエに拒否られんのオレやだって言った!」
「しー!声が大きい!」
「二人はどういう関係なの?」
「へ!?どういうって!?」
「男同士にしては仲が良過ぎるというか、距離が近くても気にしてないし。それに万次郎がアンタと話す時は凄く嬉しそうなオーラが滲み出てるっていうか…」
「そりゃあコイツはオレの…」
「ま、マイキーくんにはとてもお世話になっていてプライベートでも良く遊ぶ仲なんです!ほらマイキーくんって誰に対してもスキンシップが多いのでたまに冗談で抱き着かれたりするのでそれで距離感がおかしいのかも…!」
「はぁ?誰に対してもじゃねーし。オレが触りたいって思うのも、抱き着きたいって思うのもオマエだけだし。冗談でいつも抱き着いてねーよ」
会話を遮られた事が不満なのか、マイキーはむすっと顔をしかめ、拗ねた言い方をする。
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