第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
《それでは一人目の登場です!!》
「コンニチハ〜☆」
司会者の合図の後、ステージの裏から現れた人物の陽気な声にギクッと心臓が嫌な鳴り方をした。
《溝中が誇るイケメンNo.2!!チャラさだけが取り柄じゃないんです!!その整った容姿はまさに顔面国宝級!!数々の女性を虜にして来た転校生!!2年!!吾妻悠生くんです!!》
「え、何その紹介。別にチャラさが取り柄じゃないんだけど」
悠生の登場に驚いた女子達の目がハートになり、そのイケメン顔に黄色い悲鳴を上げた。
「きゃあ〜!!悠生ー!!」
「やば!吾妻君も出てんじゃん!」
「今日もイケメン〜♥」
《おお!やはり人気だ吾妻悠生!イケメンの名は伊達じゃなかったー!!でも女子達!!そう興奮しないで!!他のお客さんビックリしてるから!!》
両手を上下に動かし、"どうどう"っと興奮冷めやらぬ女子達の盛り上がりを落ち着かせる司会者だが、華麗にスルーされる。
「やーすげぇ盛り上がりだネ」
《羨ましいなチクショー!!》
「(来てくれてるかな…)」
悠生は観客達の群れに目を配る。
「吾妻悠生って…確か…」
その名前に聞き覚えがあったマイキーは片手にたい焼きを持ったまま、ステージ上にいる悠生を見ていた。
「あいつでNo.2?じゃあNo.1って誰だ?」
「あのモテ男を超えるイケメンなんていねぇだろ……あ。」
「いた、ここに。」
「!」
三ツ谷とドラケンの視線がカノトに向けられる。それに気付いたカノトは首を傾げた。
「お前か、No.1」
「え?」
「あー納得だわ。男装してるコイツかっこいいもんな。全世界の女を骨抜きにしてそう」
「そんな白けた目で見ないでください…」
"分かってはいたけどな"と云うような顔で二人はため息を吐く。
《さて吾妻君。女子達の歓声を浴びたところでそろそろいいかな。どうしてこの大会に?もしかして君にも告白したい相手がいるのかな?》
「告白ってゆーか、俺の気持ちを改めて伝えておきたくて」
《と言うと…?》
「俺の想い人、全然俺に見向きもしないから、この機会に意識してもらおうかなって」
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