第3章 ふたりを繋ぐ証
後頭部に手を遣り、どこか呆れたような顔をするドラケンを不思議そうに見上げる。
「マイキー様は怖ぇなって話。」
「??」
「オマエもあんま男に触らせんなよ」
「えぇ…今のはドラケンくんが突然…」
「回避しろ」
「また無茶苦茶な…」
「オマエも面倒な奴に好かれたな」
「(面倒な奴…?)」
全く話が見えず、ハテナを浮かべた。
「よう、タケミっち」
「!」
三ツ谷に案内されてやって来たのはタケミチとヒナだった。
「悪ィな、急に呼び出して」
「(タケミチくん!)」
「(カノちゃん!)」
「((今回のミッション、必ず成功させる…!!))」
アイコンタクトで会話をした二人は力強く頷いた。
オマエ何彼女(ヨメ)なんか連れて来てんだよ」
「スイマセン。こんなになってるなんて思ってなくて」
「あっヒナちゃん、この前はゴメンな。タケミッち試すとは言え脅かして」
「あっいえ全然大丈夫です!!」
「オイ!エマ!!」
「へ?エマ…って」
「ハーイ」
「このコ、タケミッちの彼女(ヨメ)だからしっかり守っとけ」
「りょ〜か〜い」
そこに現れたのはエマと呼ばれた少女。
「あ」
エマとタケミチは目が合う。
「よっ、いくじなし君♥」
その瞬間、タケミチがピキッと固まった。
「誰の事?“いくじなし君”って?」
「オマエ…エマと知り合いなの?」
「タケミチくん、まさかとは思うけど君…何かまずいこと、したんじゃないよね?ん?」
ゴゴゴゴ…っと言う効果音が付き、タケミチは三人からの強烈な威圧感に身体を萎縮させた。
「“いくじなし君♥”って、どーゆー事ですかぁ?」
「ち…違うんだヒナ!!オレなんも覚えてなくて」
「(おーヒナちゃんこわー。)」
「エマの下着姿見たくせに逃げた──いくじなし」
「へーそんな事があったんですねー」
「あったのかなー?んー?本当に記憶がないんだよぉ」
苦しい言い訳も通用せず、タケミチは絶体絶命のピンチに陥る。
「アレ!?そんなモノどこから!?」
ヒナの手にバットが握られていた。
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