第25章 思いもよらない告白
「てコトで…貸衣装の予約、宮村達に任せたからね!」
「へ……?」
過去に意識が入ると何故か教室にいて、目の前の委員長が黒板に書かれた各々の係表を指差しながら言った。
「(教室…?)」
「どーした宮村?」
「あ…ううん…何でもない」
「上の空なんて珍いじゃん」
「少しボーッとしただけだよ」
大丈夫の意味を込めてニコリと笑う。
「つーかさぁー貸衣装の予約なんてセンセーが電話ですりゃイイじゃん。わざわざ店まで行くのメンドクセーよ」
「黙らっしゃいポチ」
「ポチ!?」
面倒くさそうに溜息を吐いた友人の態度と言動に、委員長様の目がキランッと鋭く光る。
「なんだよポチって!!俺は犬か!?」
「アンタなんて犬で十分よ。それとも…"わんちゃん"の方がいい?」
「お、お前なァ!委員長だからってその上から目線で物言うのやめろよ!」
「委員長じゃないわ」
「いや、委員長じゃん」
「委員長"様"よ」
「女王様みたいな言い方すんな!」
「ホントうるさい犬っコロね。噛み付いてばかりのアンタには…メイド服+犬耳でも付けて接客してもらおうかしら?」
「生意気言ってスミマセンでした委員長様!!どうか犬耳だけはご勘弁を…!!」
「分かればいいのよ」
「くそぅ……」
「(流石は我がクラスの委員長様…)」
友人は悔しげな顔で"コイツまじ嫌い…"とボソッと小さく呟いた。しかしそれが聞こえていた委員長にギロッと睨まれ、"ひっ!?"と情けない声を出した友人はカノトの腕にしがみついた。
「宮村!女子怖ぇよ!」
「ちょっと離れて。近くで泣き喚かれると喧しい」
ガーン!!
「み…宮村に冷たくあしらわれた…」
ショックを受けた友人は腕から離れると、しょぼくれたようにズーン…と落ち込んだ。
「(そっか…まだ文化祭の準備期間なんだ。良かった…これでマイキーくんと…)」
現代でのマイキーとのやり取りを思い出し、悲しくなって目を伏せる。
「(まだ残ってる。私の腕の中で命を落としたマイキーくんの感覚が…この手に。)」
震える手をギュッと握りしめた。
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