第23章 変わらなかった世界
「で…話が大きく脱線したけど、どうしたんだよ?タケミっち?カノ?」
「………。マイキー君!"稀咲は敵だ"。場地さんが最後にオレに託した言葉です」
マイキーは引っ付いていたカノトから離れ、タケミチを見る。
「"参番隊隊長は稀咲じゃねぇ""パーだけなんだ"」
その言葉にマイキーは目を見張る。
「"パーちん"、"三ツ谷…"、"ドラケン"、"マイキー"、"一虎"。"東卍創立メンバー(あいつら)は"、"オレの宝だ"」
場地の言葉を思い出し、タケミチの目に涙が浮かんだ。
「忘れないでください!!場地さんの目指したモノを!!心を強く持ってください!!マイキー君なら一人で時代を創れます!!」
「………、タケミっち。」
「マイキーくんならきっと大丈夫です。どんな高い壁でも乗り越えられます。"私"はいつだって貴方の傍にいます。マイキーくんが独りでいる事に慣れないように、ずっと傍にいますから」
「カノ…?」
カノトは切なげに笑った。
「泣かすなよバカヤロー」
歩み寄り、千冬がタケミチの肩に手を置く。
「あの…もう一つ、いいですか?」
「ん?」
「記念写真撮りません?」
「……へ?」
「なんの記念?」
「まぁいいじゃないっスか!!」
「だるー。そうだカノ!この後一緒に遊ぼ!駅前に出来たクレープ食べに行こう!」
「あ……そう、ですね……」
「クレープの前に飯だろ」
「メンドくさ」
「みんな集まってくださいよ!千冬ー?」
「(もう…この時代のみんなには会う事はない。だからタケミチくんは記念写真を撮りたいのだろう。)」
「いきますよー?」
「(この後…私が未来に帰った後、過去の私とマイキーくんは一緒に遊びに行って、二人で仲良くクレープを食べるんだろうな。)」
なんかそれって…
「(すごく、嫌だ。)」
ズキッと痛む胸を押さえ、寂しそうな顔を浮かべる。
みんなが集まり、タケミチがカメラをセットする。カノトはマイキーと千冬の間に並んだ。
「3、2、1、」
パシャッ
そして二人は未来に帰る為、トリガーでもあるナオトに会いに行った。
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