第21章 隠さない独占欲
「今度の休み、遊園地行かねぇ?」
「遊園地!」
「エマから教えてもらったんだけどさ、隣町に出来たでっけえ遊園地が人気なんだって。確か前に行ったショッピングモールの近くって言ってたかな?」
目をキラキラと輝かけるカノトを見て、マイキーはふと笑う。
「カノ遊園地とか好きだろ?」
「好きです!」
「じゃあ決まりな!」
「(またマイキーくんと出掛けられる。嬉しい…!!)」
「何気に久しぶりのデートだよな。クリスマスデートの次は遊園地デートかぁ。すげー楽しみ♥」
「でもマイキーくん、女の子の格好でデートできませんよ?」
「ん?別にいいよ。オマエとデートできんなら格好なんて気にしねーし。それに二人で楽しめればいいんだしさ」
「!」
"二人で楽しめれば"
その言葉に嬉しくなって、笑みが溢れる。
「なぁなぁ、遊園地着いたらさ、まず何乗る?」
「そうですねぇ…」
「ジェットコースターとかは?」
「一発目に絶叫系はちょっと…」
「お化け屋敷は絶対に入ろうな!」
「え!?お化け屋敷…!?」
絶叫系や怖い系が苦手なカノトはニコニコと笑うマイキーの提案に狼狽える。
「そこは入らなくてもいいのでは…」
「えー遊園地って言えばお化け屋敷は欠かせねーじゃん。それにカノの悲鳴も聞きたいし♪」
「さてはそれが目的ですね!?」
「可愛く叫んだらお化けも逃げるかもな♪」
「絶対に面白がってますよね?」
「怖かったらオレの腕に掴まっていいよ」
「マイキーくん…!」
「ちゅーして安心させてやるから♥」
「私の感動を返してください…!!」
「暗いとこならちゅーしてもバレないかもよ」
「お化け役の人が見てたらどうするんですか…!」
「見せつけてやればいいじゃん」
「そういう問題じゃない…!!」
何をケロッとした顔で…!!
「たくさん楽しもうな」
「はい」
「じゃあちゅーしよ♥」
「は!?何でそうなる……ンンっ!!」
嬉しそうに唇を重ねるマイキーに怒りたくても口を塞がれている為、大人しく彼のキスを受け入れた───。
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