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BRAVE You’re HERO【東リべ】

第2章 無敵のマイキー



ドサッ



「……え?」



目の前に突然、人が降ってきた。



コンクリートに叩きつけられた体は曲がってはいけない方向に折れ曲がっていた。



「(な、に…何で急に人が…)」



体から溢れ出す血はどんどん地面に広がる。



「…あれ?この人…」



周囲で悲鳴が上がる中、カノは落ちてきた人物の顔をじっと見た。



「千堂敦…!!」



咄嗟に上を見上げる。



「(まさか彼処から飛び降りたの!?)」



すぐにスマホで自分の勤める病院に連絡を入れた。その後、警察もやって来て千堂の遺体は運び込まれた。



「しばらくそっとしといてあげてください」



目の前で親友が屋上から飛び降りた瞬間を目撃したタケミチはショックを受け、顔を俯かせている。



「…タケミチくん」



「…アッくんだった」



「え?」



「あの日、オレを線路に突き落としたの…アッくんだった」



「!?」



「アッくんは稀咲の兵隊だって言ってた」



「…稀咲って、“稀咲鉄太”?」



タケミチは頷く。



「東卍の奴らはみんな稀咲の言いなりで、マイキー君とはもう何年も会ってないらしい」



「…………」



「アッくんから聞いたんだ。マイキーが変わっちまった理由…」



「!」



「マイキーが変わったのは、ドラケンが死んでからだ」



「ドラケンが!?」



タケミチの口から語られた真実にカノは驚いた顔を浮かべる。



「“みんなを助けてくれ”って言ったんだ…アッくん。その後…こんな…っ…」



「どうして千堂くんは、東卍をやめなかったの?」



「稀咲が怖いって言ってた。ただひたすら…稀咲が怖いって」



「(稀咲鉄太…。)」



「タケミチ君」



そこにナオトが歩み寄ってくる。



「いいよ。事情聴取だろ?」



「…タケミチ君、無理しないでください。少し休みましょう」



「…ナオト。オレが事情聴取を受けてる間に龍宮寺堅の死んだ日を調べてくれ」



「え?」



「東卍を巨悪にしたのは“稀咲鉄太”だ」



「…………」



「ナオト、オレは、ドラケンも!!アッくんも!!ヒナも!!みんな助けたいんだ」



タケミチは悔しそうに涙を流しながらそう言った。



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