第21章 隠さない独占欲
「オマエを除名(クビ)にする」
予想もしてなかった発表に稀咲はもちろんの事、カノトとタケミチも驚いた顔を浮かべる。
「稀咲がクビ?」
「嘘だろ?」
メンバー達も何故稀咲が除名なのか分からず、混乱していた。
「マイキー君に稀咲の裏切りは一応報告した」
「え?」
「千冬くんが?」
「あぁ。でもまさか、マイキー君がこう出るとは思わなかった。一度は隊長クラスまで認めた奴だぜ?クビとはな」
「(協力関係を結んだ稀咲と半間が途中で裏切った事はタケミチくんから聞いたけど…このタイミングで除名を告げるなんて。)」
「何言ってんだよマイキー?冗談だろ?」
「この場で冗談なんて言わねぇよ。クビだ」
決して冗談で除名を告げたんじゃないと知るや否や、稀咲の顔色が変わる。
「オイオイ待てよマイキー」
「(半間…!!)」
「稀咲がクビなら当然オレも東卍を出る。本当は勇者チャンも連れて行きてぇトコだけどな」
「!?」
視線がこちらに向けられ、思わずビクッと反応する。マイキーの片眉がピクっと吊り上がり、重苦しい空気がより一層、厳しくなる。
「けど難しそうだから今は諦めてやるよ。でもつまりよぉ、東卍総勢450人のうち、元愛美愛主50人、元芭流覇羅300人が全て抜ける。そしたら東卍は100人に萎んじまうんだぜ?それでもいいのか?」
「構わねぇ。そもそも東卍はでかくなりすぎた」
「あ?」
「でかくなりすぎた?何言ってんだよマイキー!?それが東卍の目的だろ!!?」
「なら、"聖夜決戦"をけしかけたのも東卍をでかくする為か?」
その質問に稀咲の表情が固まる。
「タケミっち達をけしかけ、大寿を殺させる為に柚葉にナイフを渡した。三ツ谷と千冬から全部聞いた」
その話にメンバー達がざわつき始める。
「まぁ、こんな事で稀咲を追い出せるとは思ってない。証拠は何もねぇからな。どういう屁理屈でくるか、見ものだな」
「東卍をでかくする為、お前の汚ぇやり口に今まで目を瞑ってきた。それももう終わりだ」
「違う!!アンタは弱ってた!!大寿は東卍を脅かす存在だ!!オレはアンタの為に動いたんだ!!」
「オイ!」
「うっ」
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