第21章 隠さない独占欲
「これより新年一発目!!東京卍會全体集会を始める!!」
年が明けて一回目の東卍の集会が始まり、カノトもマイキーに呼び出され、武蔵野神社に集まった。
「東卍と黒龍は対立してきた。一度は和平協定が結ばれたが破綻。それは兄弟である弐番隊副隊長と黒龍総長の確執が原因だった。そして東卍は聖夜に黒龍とぶつかり激戦の末、勝利した」
「(元々は真一郎さんがマイキーくんの為に作ったチームなんだよね。だけど…真一郎さんがせっかく築き上げた黒龍を八代目と九代目の黒龍の総長が変えてしまった。)」
八代目総長により殺人、強姦、賭博等なんでもありの極悪集団になり、九代目総長が率いていた時に設立当初の東卍と対決し、一度壊滅させられる。
「(その後、柴大寿の手によって十代目として復活。最恐最悪の殺人集団となり、再び東卍とぶつかるも、あの日、敗北した。)」
「この件の事でみんなの前で話したい奴が3人いる!一人目!!柴八戒、前へ!!」
ドラケンに呼ばれた八戒は石段を登る。
「始まりはオレのくだらねぇちっちぇ嘘だった。そのちっちぇ嘘を守る為にオレは家族を…東卍を巻き込んだ」
「(八戒くんは…大寿の暴力から柚葉ちゃんを守っていた。でも真実は違った。本当は逆で、"柚葉ちゃんが八戒くんを守っていた"のだ。今までずっと。大寿に逆らう度胸がなくて、あたかも自分が柚葉ちゃんを守っていたかのように八戒くんは嘘をついた。)」
「そして事はデカくなり、東卍対黒龍の抗争まで発展した。全てオレの責任だ。……みんな、すまなかった」
後ろで両手を組み、八戒は頭を下げた。
「気にすんな八戒!抗争の火種なんてよ、そもそもいつでもちっちぇモンだ!」
「それに黒龍には勝ったんだ。結果オーライっしょ!なぁ!みんな!?」
八戒の気持ちを汲むようにムーチョとスマイリーが言う。それに続いて東卍のメンバー達も賛同し、誰も八戒を責めなかった。
「みんな…」
「八戒!!お前はこれからも東京卍會弐番隊副隊長だ!!みんなもそれでいいよな!?」
三ツ谷が振り向き、メンバー達に問う。彼らは拳を上に突き上げ、八戒コールを叫んだ。
「対黒龍の戦い…八戒を救えただけでも苦労した甲斐があったな!タケミっち」
「うん!」
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