第2章 無敵のマイキー
2017年───東京。
「あああああああ!!!!」
「!?」
タケミチの叫びに驚いたカノはガバッと飛び起きた。
「な、なんで泣いてるの…?」
一緒に帰ってきたタケミチは何故か悔しそうに泣いていた。
「タケミチ君!!カノさん!!」
「ナオトくん」
「くぅぅぅぅ」
「気が付いたんですか!?」
「やっぱり帰ってきちまったのかあぁああ」
「は?」
「(泣くほどいいところで帰ってきちゃったんだね。)」
「って事は…過去に行けたんですね!?やっぱり握手が“引き金(トリガー)”だったんだ!!ボクの仮説は間違ってなかった!」
「はいはいそーですね」
「そして君たちは戻ってきた!」
「ん?」
「わかりましたよ…これで“全部”。そっちは?戻ってきたって事は進展があったんですよね?」
「えーっと」
タケミチは気まずそうに経緯を話す。
「間違えて握手した!?」
「いやーヒナかわいいのやっぱ。花火キレイだったなー」
「うん。花火キレイだったね!」
「あれ?カノちゃんも見てたのか?」
「屋上で見てたの」
「誰と見てたの?」
「だ、誰って…」
「あ、もしかしてぇ〜…」
「(タケミチくんがニヤニヤしてる…)」
「マイキー君だったりして!」
「っ………!」
「え?え?マジ?その反応…マジでマイキー君と見たの?」
「偶然!外で会ったの!」
「へぇー偶然ねぇ…ふぅ〜ん」
「(くっ、あの顔腹立つ…!)」
「カノちゃん」
「…何」
「楽しかったな!」
「うん」
嬉しそうに笑えば、タケミチも笑った。
「どーゆー事ですか!?二人とも!!」
理由を聞こうとするナオトを無視し、タケミチとカノは感傷に浸った。
それから話はタイムリープについてに戻る。
「二度目のタイムリープでわかった事があります」
「ほー」
「タケミチ君とカノさんが過去に戻っている間、二人はずーっと“仮死状態”でした。まるで魂が抜けたように」
「え!?死んでたって事!?」
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