第13章 夢で会えたら
「そこもオマエの良いところではあるけどさ…オレには教えといてよ。メールの返信来ねぇから心配したじゃん」
「すみませんでした。学校終わりに連絡しとけば良かったですね」
「…反省してる?」
「もちろんです」
「じゃあオレのお願い一個聞いて!」
「えぇ?何でそうなるんです?」
「カノがオレを心配させたのが悪い。だからオレのお願い聞いてくれたら許す♪」
「なんて理不尽な…」
「お願い聞いてくんないと一生許さねー。オレを心配させた罰は体で払ってもらわねーとな♪」
「わざと卑猥な言い方しないでください!」
「卑猥って…オマエの"労働時間"を貰うんだから"体"って表現が合ってるだろ?」
「た、確かに…合ってますけど…」
「え〜何想像したの?カノやらし〜」
「なっ……!やらしくないです!」
口元に手を当てニヤリと笑ったマイキーを見て、カノトは真っ赤になって否定する。
「…そのお願い聞いたら、許してくれますか?」
「聞いてくれたらな」
「じゃあ…一個だけですよ?」
「分かってる分かってる♪」
「(絶対に分かってない…)」
マイキーのご機嫌が一気に直り、今ではカノトがお願いを聞いてくれる嬉しさからずっとニコニコしている。
「さっきも言ったけど、オレとデートしよ♥」
「デート…?」
「バイク乗って、海見に行こうよ」
「海!」
「海好き?」
「はい!」
「じゃあ、決定な」
ポンッと頭に手を置き、マイキーは笑う。
「家まで迎えに行くから待ってろ」
「いつもありがとうございます」
「オレが好きでやってるんだし、礼なんていいって」
「(マイキーくんと海デート…楽しみ!)」
「寒かったら困るからちゃんと暖かい格好して来いよ。風邪引いたら大変だから」
「マイキーくんも暖かい格好で来てくださいね。風邪引いたら大変ですから」
「そうなったら看病しに来てくれる?」
「…引いたらですよ」
「絶対引くから看病しに来て♥」
「何言ってるんですかもう」
恐らくは冗談じゃないと思うが、マイキーの言葉にカノトは溜息を吐いた。
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