第11章 やっと手に入れたモノ
「…………」
ドラケンはじっとマイキーを見ると、マイキーは居心地が悪そうに顔を背ける。
「プ!オマエ"妹"の誕生日付き合ってんの?マイキー!!」
「うっせーな」
ドラケンが可笑しそうに吹き出す。
「妹?」
「あれ?知らなかったっけタケミっち。マイキーとエマは腹違いの"兄妹"なんだ」
「「えええ!!!?」」
「(腹違いの…兄妹…?)」
その場から動けず、しゃがんだままドラケンが口にした真実に衝撃を受ける。
「たしかにどことなく似てる…」
「そーか?」
「(だから同じ家から出てきたの…?)」
恋人同士じゃないと分かり、ホッと胸を撫で下ろす。
「あれー?ヒナには前に言ったけどなー」
「え!?」
「(嘘でしょヒナちゃん…)」
「名探偵さん?それと山岸君?」
「見て見て」
「わー」
「このパフェおいしそー♥」
「姉ちゃん忘れてたな」
誤解だと知るや否や、二人は焦ったように会話から外れ、パフェが並ぶショーケースを見た。
「ホレ」
「え?」
「誕生日おめでと」
「あっ、それ、この前ゲーセンで欲しがってた奴じゃん」
用意していたくまのぬいぐるみをエマの頭の上に乗せるドラケン。ニッと笑いながらエマの誕生日を祝うドラケンにくまのぬいぐるみを抱きしめながらエマは嬉しそうに笑った。
「用済んだし帰るわ。…と…その前に…」
ドラケンはカノトが隠れている場所に顔を向け、言った。
「そーゆー事だから安心していいぞー」
「は?誰に言ってんの?」
マイキーが不思議そうな顔をすれば、低い壁で隠れて見てなかったカノトがスクッと立ち上がる。
「!」
「カノト!?」
「こ、こんにちは…」
「……………」
側まで歩み寄り、ペコっと頭を下げた。マイキーはじっとカノトを見ている。
「コイツが妙に機嫌悪ぃから何かと思えばオマエらの仲を誤解してたんだよ」
「ドラケンくん!」
「大方オマエらがデキてると思ったんだろ」
「っ!ち、違…!僕はただ…!」
最後まで口には出さず、視線を逸らす。
.