第7章 秘密、バレちゃいました。
「それで…前みたいに耳───んっ!?」
マイキーの顔が近付いてきたと思えば、唇に柔らかいものが重ねられる。ちゅっと不意打ちでキスをされ、驚いて目を見開いたカノトの紫色の瞳が揺れた。
「……………」
ゆっくり唇を離しながら閉じていた目を開けるマイキーは状況が飲み込めず真っ赤な顔で開いた口が塞がらないカノトを見て、可笑しそうに笑った。
「そんなびっくりする?」
「な…なんでく、唇にするんですか…っ!」
「甘くて美味しそうだったから」
「答えになってません…!」
「だって“ちゅーしていい”って言ったじゃん」
「耳にすると思ったのに…!!」
「オレ、耳にするなんて一言も言ってねーけど」
「(確かにそうだけど!!私が勝手に勘違いしただけだけど…!!)」
「首まで真っ赤だよ」
「マイキーくんのせいです!!」
恥ずかしくて涙が出そうになる。
「もしかしてファーストキス?」
「っ!…そ、そうですよ!」
「…あーどうしよ。」
「何がです?」
「すっげぇ嬉しい」
「!!」
片手で口元を覆い、視線を横に逸らし、照れるマイキーの顔にドキッとし、つられるようにカノトも視線を逸らす。
「なぁ、もっかい唇にちゅーしていい?」
「…これ以上は心臓が持ちそうにないのでダメです」
ちゅっ
「んっ!」
「しちゃった♥」
「っ〜〜!もう!ダメだって言ってるのに!というか一回だけの約束だったでしょう!?」
「カノが可愛いのが悪いんじゃん」
「か、かわ…」
「ね…オレのこと好き?」
「え。」
「オレは好きだよ、カノ。大好き。」
ストレートに愛の告白をされ、カノトは優しい表情で自分を見つめてくるマイキーに照れながら小さく呟く。
「…嫌いではない…です」
「上手く逃げたな。でも照れながら言われても説得力ないよ」
「うっ……」
「むしろ絶対に好きって言わせたくなる」
「!」
「だから早くオレのものになって、カノ……────」
両手の指を絡め、コツンとおでこを合わせるとマイキーは優しく笑ったのだった。
next…