第62章 これからも家族3人で幸せに(❤︎)
それから月日は流れ、男装を始めたカノトは11歳に成長していた。
「この8人で暴走族(チーム)を創るんだ」
武蔵神社にはマイキーとタケミチの他には、東卍の創設メンバー達の姿もあった。
「どんなチームにしたいですか?」
そう問われた場地は、カノトの言葉に悩むように数秒考えた後、その答えを思いついたようにニカッと笑って見せる。
「一人一人がみんなの為に命を張れる、そんなチームにしたい」
「素敵だと思います!ね、マイキーくん!」
「うん」
"あの時"と同じ言葉を口にした場地に、マイキーは嬉しそうに口元を緩めて笑みを浮かべる。
「もう一人、オレの友だち入れてもいいっスか?」
「稀咲鉄太って言います」
「じゃあオレも!」
「えー!オレ暴走族とかヤダよー!」
かつては東卍の敵だった稀咲と三途もチームの一員として加入することになった。
「あのさ…今気付いたんだけど…」
「どうした一虎?」
ふと一虎がこちらに視線を向ける。
「マイキーとカノトって、何でおんなじネックレスしてんの?」
"ネックレス?"と全員の視線が、カノトとマイキーの胸元に注がれた。
「ホントだ」
「しかも色違い」
パズル型のネックレスが二人の首から掛けられていることに不思議そうな顔を浮かべている。
「あ、これは…」
「そんなの、コイツらが付き合ってるからだろ。お揃いのモン身に付けてても別におかしくねーし」
説明しようと口を開けば、二人が恋人であることを知っている場地に先を越されてしまう。
「は!?付き合ってる!?」
「何で場地が知ってんだ?」
「マイキーが言ってた」
素っ頓狂な声をあげて驚く一虎と、どうして二人が付き合っていることを知っているのかと疑問を抱くドラケンに場地がサラッと答える。
「場地が言ってることは本当だ。カノはオレの恋人で、このネックレスは出会った頃にオレがカノに贈ったんだ」
「少し事情があって外してたんですけど、最近になってまたお揃いで付け始めたんです」
「てことはマジで付き合ってんのか」
「マイキーに恋人ねぇ…」
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