第62章 これからも家族3人で幸せに(❤︎)
キャシーと猫じゃらしで遊びながら一人で留守番をしているとインターホンが鳴った。
「誰か来た…?」
今日は来客の予定も、荷物が届く予定もない。マドカが不在の今、子供の姿の自分が出て、もし不審者だったら流石に太刀打ちできない。
「どうしよう…」
猫じゃらしで遊んでいたキャシーはカノの不安な気持ちを察知し、"大丈夫だよ"とでも言っているかのように体に擦り寄ってきた。
「キャシー、ありがとう。このまま居留守使っちゃおうか。兄さんにも誰か来ても開けるなって言われてるし」
居留守を使ってやり過ごす事を決めたカノが、床に置いていた猫じゃらしを取った時、再びインターホンが鳴る。
「まだ帰らない…。覗き穴から相手の姿だけ確認しようかな。もし怪しい奴だったら兄さんに報告しよう」
リビングから玄関に向かい、靴を履いて背伸びをする。少し緊張しながら覗き穴から外にいる相手を確認すると…。
「!」
カノは急いで鍵を開けてドアを開いた。
「万次郎くん!」
「やっぱりいた。ほらな、オレがカノの気配に気づかないわけねーじゃん」
「?誰に言ってるんですか?」
横を向いて誰かに喋りかけているマイキーを不思議に思っていると、半分開けた扉で見えなかった『誰か』がゆっくりと姿を現す。
「カノちゃん」
「え?」
黒髪の男の子は初対面にも関わらず、自分の名前を呼んだことに驚いた。
「オレのこと、覚えてる?」
「もしかして…タケミチくん?」
「良かった!覚えててくれてたんだな!」
「だから言ったじゃん。カノがタケミっちを忘れるはずねーって」
「本当にあのタケミチくんなの!?」
タケミチは嬉しそうな顔で頷いた。
「まさかタケミっちもこの時代にいるなんてビックリだよな!奇跡としか思えねーよ!」
「た、確かに奇跡だけど…何がどうなって…」
「オレもタイムリープしたんだよ!」
「えぇ!?」
まさかタケミチまでタイムリープしていたとは思わず、驚いた顔を浮かべる。
「一体どういう理屈で…」
「あの時とは逆になったんだ」
「あの時?」
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