第61章 巡り会って、また恋をして。
「好きだよカノ」
「私のほうが好きです」
「ふは、負けず嫌い。でもオレの方が誰の目にも触れさせない場所に閉じ込めて、永遠に死ぬまで監禁したいレベルでもっと好き」
「…万次郎くんも負けず嫌い。あと監禁はホント冗談に聞こえないのでやめてください。前より更に激重感情発症してて怖いです」
「それくらいオマエのこと愛してるって証拠だろ。てかオレの愛が激重なのは前からじゃん」
鼻同士が触れる寸前まで顔がグッと寄せられ、クスクスと小さく笑うマイキー。
そして愛おしげな眼差しで見つめられ、恥ずかしさで一回だけ視線を横に逸らした後、覚悟を決めて瞼を閉じ、自分からマイキーにそっと口付けた。
「うぅ…」
「恥ずかしがってんの可愛い❤︎」
カノからキスをされ、るんっとご機嫌になったマイキー。
「本当はもっと深いのがいいけど、今は子供みたいな触れるだけのキスでもいっか」
「(深いのなんかしたら絶対万次郎くんの理性が持たない気がする…。)」
「なぁカノ」
「はい?」
「オレさ…正直もう一度オマエと恋人同士に戻れる日が来るなんて思ってもみなかった。あの頃みたいな幸せな時間はもう取り戻せないって諦めてたから」
「!」
「でもオマエはオレの想いに応えてくれた。この世界でもう一度…オレと一緒に生きることを選んでくれた。オレの手をずっと離さないでくれてありがとな」
繋がれた手にキュッと力が込められる。
「一度は貴方のことを諦めましたが、今となっては諦めないで良かったと思ってます。今度こそ私と一緒に幸せになりましょうね」
「あぁ」
「どんな理由があっても、絶対に突き放さないでください。私は貴方の傍にいたいんです」
「ウン…もう絶対突き放さない。カノが傍にいてくんねぇと…寂しくて死にそうなんだ」
不安や寂しさが混ざった瞳を宿すマイキーの体を優しく抱きしめる。
「───あったかいな、カノは。いつもあったかくて…オマエに抱き締められると安心する」
「万次郎くんが安心するならこれからだっていくらでも抱き締めますよ」
「うん…ありがとな」
マイキーはカノの体を抱き締め返した。
next…