第61章 巡り会って、また恋をして。
「平気?コイツらに何もされなかった?」
「はい」
「それ何持ってんの?食い物?」
「万次郎くんと一緒に食べたくてたい焼き持ってきたんです」
「オレの為に用意してくれたとか優し過ぎて今スグ抱き締めたい。あー無理…好き過ぎる。いつか監禁しよう」
「なんて?」
独り言のような呟きの中にスルーするには不穏過ぎるワードが聞こえた。
「なんか…距離感バグってない?」
「友達って感じでもなさそう…」
「おいマイキー!!オレらの存在忘れて二人の世界に浸ンな!!」
「うるせぇなぁ。そんなキレんなよ。カノがビックリすんだろ」
「マイキー、その子って友達?」
二人の関係を怪しんだエマの言葉に、マイキーはニヤリと口許を緩め、カノの体を自分の方に抱き寄せる。
「友達じゃねぇよ。オレのカノジョ❤︎」
「万次郎くん!?」
「マイキーに彼女なんていたんだ」
「つーことはマジでストーカーじゃなかったのか!?」
「えー!?マイキーの彼女なの!?」
三人がそれぞれの反応を見せる中、まさか正直に自分達の関係を暴露すると思わなかったのか、カノは驚いた顔でマイキーを見た。
「正直に答えてどうするんです!」
「何で?間違ってねぇじゃん。オレらは前世からの恋人で、オレはオマエの最強で最高の彼氏、だろ?」
「(確かに間違ってはいないけど…)」
「そういうワケだから、オレの大事なモンに手出したり傷付けたりしたら、いくら幼馴染みのオマエらでも許さねぇからな」
嘘を吐かずに正直に彼女だと言ってくれた事は嬉しかったが、みんなの前で堂々と恋人宣言するマイキーに少しだけ恥ずかしさが残る。
「あんな顔するマイキー初めて見た…」
「本気で惚れてるんだよあの子に!」
驚く三途にエマは嬉しそうな顔を浮かべる。
「別に傷付けたりしねぇよ。
おいオマエ!名前は?」
「み、宮村…カノ」
「カノ、さっきはビビらせて悪かったな」
「気にしてないよ」
カノは笑って軽く首を横に振る。
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