第5章 ミッション失敗…?
「それともオレに守られるのはイヤ?」
「いいえ」
「オレの傍にいてくれる?」
「はい」
「オレから離れないって約束できる?」
「何も告げずにマイキーくんの前からいなくなったりはしませんよ」
「うん…信じる。でももし、オマエがオレから離れようとしたら…」
その言葉の続きに聞き覚えがあり、ふとその時の記憶と重ねてみた。
『もしオレから離れようとしたら…オマエを殺す』
思わず息を呑む。マイキーがじっとカノトを見つめ、そして、ふと笑った。
「オマエをベッドに押さえつけて、無理矢理ちゅーするから♥」
「!!?」
「あとオレに膝枕して、ココア一緒に飲んで、ゲームして遊んで、ぎゅーって抱きしめて、唇にちゅーして、もっかいぎゅーからのちゅーする」
「な…ななな…っ!」
「それがイヤならオレから離れんなよ♥」
ニコリと笑んだマイキーに、ぶわっと顔中に熱が集まる。
「茹でたこ」
「誰のせいだと…!」
「うん、オレのせい」
どこか楽しそうにマイキーが笑う。
「あのピアスさ、いつか付けたとこ見せてよ」
「え?ピアスをですか?」
「オレに一番に見せて」
「はい」
カノトは頷いた。するとマイキーがじっとカノトを見つめている。
「マイキーくん?」
「オマエが早くオレのものになってくれれば、オレがオマエを好きにできんのに」
「!?」
「返事はまだ保留?」
しゃがみ込んだ膝に交差した両腕を乗せ、そこに片耳をつけてカノトを下から覗き込むマイキー。
「え、えーと…」
返答に困っているとマイキーが小さく笑う。
「いいよ、待つよ。オマエが答えを出してくれるまで」
「え?」
「ただ、そんなに何年もは待てないけどな」
「それまでには答えを出すと思います…」
「ん、楽しみにしてる。あ、でも。」
「?」
「オマエを構い倒す事はやめないから♥このオレを待たせるんだからそれくらい許してくれるよね?」
「お、お手柔らかにお願いします…」
にこりと笑んだマイキーにカノトは嫌な予感がして、ダラダラと冷や汗を流すのだった。
next…