第59章 最終決戦
──2008年9月9日。
「"関東卍會(トーマン)"500人対"東京卍會(トーマン)"50人…こうしてみると圧倒的な差…」
「ただでさえ強い奴ばかりなのに更に戦力増強してきたね」
「ふっ、慣れっこだろ?」
旧湾岸貨物操車場(ヤード)には二代目東京卍會と関東卍會の面々が集まっていた。
「タケミっち、カノ。オレはザコ10人ぶっ倒してモッチーとやる」
「僕は最低でも30は減らす」
「向こうには半間もいる。アイツはまだオマエを諦めてない。気をつけろよ…カノト。」
敵の中に黒マスクを付けた半間の姿があった。彼は狂気と執着を孕んだ静かな瞳でじっとカノトから視線を外さず見つめている。
「(相変わらず不気味な奴…)」
その瞳にゾクッと体を震わせたカノトは、半間の視線から逃げるように顔を逸らす。すると見慣れた人物を見つけ、驚いて目を丸くした。
「(海凪ちゃん…)」
無表情で東卍の面々を見つめている海凪の冷たい眼にカノトは少し寂しくなり、胸辺りの特服をギュッと掴む。
「(彼女は今、関東卍會の総長補佐としてこの場に立ってるんだ。戦う事になったその時は…私も覚悟を決めなきゃいけない。)」
「オイテメェら。"トーマン"が二つもいるか?いらねぇよなぁ?」
「ヒヒ、りょうかいだボス」
マイキーの言葉に三途はニヤリ顔を浮かべながら東卍の面々に向かって声を張る。
「オイ!!ガキ共!!三天戦争で王は決まっただろうが!!!今更古いチーム持ち出してんじゃねぇぞコラ!!ガキの抗争はウンザリなんだよ!!!」
「(相変わらず不愉快な男だな。まだ米神に銃突き付けたこと許してないからな。)」
「それによぉー、テメェら"負け組"の集まりじゃよぉ、オレら"関東卍會(トーマン)"の相手になんねぇだろうが。思い出作りなら他でやれ!」
挑発とも取れる三途の言葉に、関東卍會の面々も馬鹿にするように笑う。
「テメェらは"トーマン"じゃねぇよ」
「…は?声ちっちゃ過ぎて何言ってっか聞こえねぇよ!!」
「そんなんじゃねぇんだよ…。"トーマン"はそんなんじゃねぇ!!!」
声を張り上げて叫んだタケミチ。
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