第11章 一緒に
お母さんがいる。
お父さんがいる。
そして…
秀一くんがいる。
4人でテーブルに並べられた料理を食べ、他愛のない話をする。
とても懐かしく、嬉しく感じる。
お母さん大好き。
お父さん大好き。
秀一くん大好き。
みんな大好き。
あれ…?
秀一くんに対する好きは、お母さんたちに対する好きと違うのかな…?
違うとしたらどこが…?
和也の好きも…
和也?
和也…和也………
!!!
「和也!」
「?! どうしたの美琴急に…」
「何かあったのか?」
お母さんとお父さんが不思議そうに見つめる。
「お姉…ちゃん?」
ハッと、息を呑む。
お母さん達は気づいてないけど、心配そうな声をしている反面、鋭い目つきをしている秀一くん。
じっと、こちらを見ている。
わずかに、体が震えた気がした。