第9章 もうヤダよ
…………なんて言ったの、今。
殺す?
誰を?
和也を?
そんなのダメ!!!
私はすぐさま携帯を取り出し、和也にメールを打つ。
『和也!逃げて!秀一くんが』
ここまで打って、私の手は掴まれる。
「何してんの?……………」
ピッピッと、携帯のボタンを押す音。
「このメール……なに?お姉ちゃん。和也さんがそんなにいいの?」
「…………あの」
「違うよね?和也さんがお姉ちゃんを無理矢理誘ってるだけだよね?だってお姉ちゃんは僕が大好きなんだから!!!」
その言葉と同時に携帯は床に叩き落とされる。
ゴトンっという鈍い音。
多分もう携帯は使えない。
「安心して?今日、お姉ちゃんの心配は何一つ無くなるからね?僕がぜーんぶ、解決してあげるよ?だって、大好きなお姉ちゃんの為だもん……フフ」
どうしよう。どうしようどうしようどうしようどうしよう。
秀一くんなら、
今の秀一くんなら、
やりかねない。
「っ!そんなことしちゃだm((ゴッ
首後ろのところに激しい痛みを感じたと共に意識が薄れていく。
意識が途切れる寸前。
かすかに聞こえた、秀一くんの声。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんが起きた時には、なぁんにも心配事が無いからね。僕が、お姉ちゃんの世界をきれいにしてあげるから」
しゅう……いち…く……ん
その時、目の前が真っ暗になり、私の意識は完全に途切れた。