• テキストサイズ

カワイイ俺の……

第3章 あれ………?


秀一くんが私から離れた時、秀一くんが手に持っていたのは私の携帯。




っ!




「ありがとう、お姉ちゃん。まったく、素直に渡してよね?」



まただ。



ニヤリという笑い方。

口角を持ち上げる、邪悪な笑み。





こんなの、嫉妬に入らない。
怖いだけだ。




どうしちゃったんだろう、秀一くん。





そんな思いがグルグルと頭の中を巡る。











まだ私は動けない。

怖くて。



秀一くんが、

怖くて。








秀一くんは私の携帯を見る。


しばらく眺め、ある画面を私の目の前に突き出してきた。




その画面は、メール画面。







さっきの、帰り道での、和也とのやり取り。











「ねぇ、どういうこと?約束、したよね?」

「え……でもあれは、触らせない。ってことじゃ」



その時、バンッという音を立てて私の携帯を床に投げつけた。



「っ!!」


「お姉ちゃん……………バカなの?」

「え?」

「こんなの……お姉ちゃんを誘惑してるとしか思えないじゃん!!それなのにノコノコ付いていこうとするなんて……お前は俺が好きなんじゃないのかよ!!!」




いつの間にか、一人称は「僕」から「俺」になり、私のことも「お姉ちゃん」から「お前」に変わった。


この人は、誰だ?





こんなの、秀一くんじゃない。

怖い……………この人は、誰なの?











膝が、体が、恐怖で震える。


でも、せめてもの反抗をしようと、涙目になりかけている目でキッと睨む。




「何?その目………。僕はお姉ちゃんが好きだから、大切だからやってるんだよ?嬉しいよね?僕に守ってもらえて」ニコ



「う……………嬉しく、ないよ………」



声を振り絞り、気持ちを口にする。



「………………………」

「あ、お姉ちゃん玄関に立ったまんまじゃーん。上がんなよー」




え……………
/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp