第1章 出会い
「だから…な!?頼むって!!」
「いや…でも私なんかが勝手に行ったら…」
「頼むよぉ!!怖くてもう顔合わせたくねぇんだって!!」
「…」
オシャレな喫茶店に呼び出され、何事かと思ったら……。
「な!?」
「…」
今目の前に座って私に頼みごとをしている彼。彼の名前は新嶋リョウ。私の高校からの知り合いでつい先日彼女に浮気をされ、捨てられた男。
「…でもそれって…元カノさんが取りにくればいいんじゃないの?」
「……その元カノが…俺に会うならその人に時間使いたいって…。」
「…はぁ…。」
今の話を簡単にまとめると、リョウの元カノが家にある着替えを届けてほしい。と、頼んできたらしい。でも元カノが自分では取りに行きたくない。と言っているらしく、リョウが仕方なく届けてあげることにしたらしい……のだけれど……どうやらその浮気相手がだいぶヤバい人物らしく、リョウはその人に近づきたくないのだとか……。
「…!わかった!その人がいない時間帯に行ったらいいんじゃない…?」
「そんな時間帯わかんねぇよぉぉ……。」
「はぁ…。」