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3ヶ月の恋人(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第7章 秋の鬼滅学園文化祭(後編)


 1か月前は青々としていた公園の木々も、10月に入ると紅葉が始まった物が出てきた。
これから秋が深まると、この公園の景色もきっとロマンチックな色に変わるんだろうな。

今日もバッグの中は重たい荷物でいっぱいだ。
アイシング用の道具と材料が入っている。

小鳥の声を聞きながら、爽やかな陽気の中を鬼滅学園へと向かった。

午後の授業中の学園内は静かだった。
私は今日、お店の仕事をお昼過ぎまでやってから、午後はフリーにしてもらえた。

今日やる事は、昨日焼いたクッキーにアイシングで絵を描いて乾燥させる所まで。
時間がかかりそうなので、早めに学園にやって来た。

明るい調理実習室で、一人で先にアイシングをたっぷりと作っておく。
先生達の髪色や目の色に合わせて色を調整しながら、カラフルなアイシングをいくつも作った。
もちろん、金色と赤い髪の人用のアイシングも作った。

昨夜、夜の中でキラキラと光っていた煉獄さんの美しい髪。
張りがあって、でも柔らかそうで…。
触れてみたらどんな感触がするのだろう……。



「…妹子先生!」

「…はいっ!!」

名前を呼ばれて、ほわほわした夢の中から現実に呼び戻された。
目の前に、フランスパン少女が立っていた。

「妹子先生!どうしたの?呼んでも気付いてくれないんだもん。誰か好きな人の事でも考えていたの?」

可愛いらしい顔を傾けて、私に笑いかける。

「禰󠄀豆子ちゃんか。ごめんごめん!ちょっと考え事していたの」

禰󠄀豆子ちゃんは煉獄さんのクラスの竈門君の妹で、クッキー作りを手伝いに来てくれている、中等部の子だ。
昨日もお兄ちゃんについて来て、クッキーを上手に焼いてくれた。
禰󠄀豆子ちゃんは授業が終わって、すぐに駆けつけてくれたようだ。

「妹子先生、私もアイシング作るよ!」

「禰󠄀豆子ちゃん、ありがとう!じゃあ、宇髄先生の瞳と髪の色のアイシングをお願いするね!」

禰󠄀豆子ちゃんは嬉しそうに微笑むと、色素を混ぜて、宇髄先生の色を作り始めた。

私は、宇髄先生の顔を近くで見る機会が少なかったので、素敵な人だった記憶はあるけれど、色を作り出せる程には覚えていなかった。
禰󠄀豆子ちゃんがいてくれて良かった。

煉獄さんのクラスの生徒さんが来る前に、お手本として
煉獄先生、伊黒先生、冨岡先生の顔を描いた。
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