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3ヶ月の恋人(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第1章 3ヶ月が始まる


 日曜日。

 今朝は早起きした。

 今日は一応、来週から働く兄の店に挨拶に行く事になっていた。兄だけだったら、その必要はないけれど、もう一人いるスタッフの人に挨拶をするように言われている。

 ハンガーラックから、白いワンピースを取って鏡の前で合わせる。

 ちゃんとした格好の方が良いだろう。

 今日は8月29日。

 まだまだ暑いから、ノースリーブの涼しげな綿麻のワンピースが気持ち良い。

 お店の開店前に来いと言われていたので、8時30には家を出た。
バスで15分位の場所にあるお店だけど、遅れないように念のため時間に余裕を持って家を出た。


 バスを降りて、公園の中を通り抜けることにした。

 兄の店は世田谷区の大きな公園の前にあって、なかなか素敵な場所にある。

 ちょっと早めに家を出たのは、朝の公園を散歩したかったから。

 少し前にちょっとだけ雨が降ったので、公園の緑が濡れて光でキラキラしていた。日差しが強くなる前の、朝の綺麗な空気が公園中に溢れていて、気持ちがリフレッシュしていくのが分かる。

 早起きして良かった。


 日曜日という事もあってか、散歩する人やジョギングをする人なんかも沢山いて爽やかな日曜日だ。

 池の前に差しかかった時、向こうから背の高い男の人が走って来るのが見えた。ジョギングにしては全速力で走ってるような感じで速い。

 遠目でもスタイルが良いのが分かる。白いTシャツに、黒いかっこいいトレーニングウェアのパンツを合わせている。

 肩幅が広く、均整のとれた逞しいけどスリムな体。髪は金色で所々が赤く、黒いキャップを被っていて、サングラスをしている。

 モデルかもしれない。この辺りは芸能人も多く住んでいるから。

 朝から素敵な人を目にして、目の保養になる。

 その人とすれ違った。

 すごく早く走るから、一瞬だったけど目が合った気がした。

 サングラスをしてたから、どこを見てたかは正確には分からない。だけど、確かに目が合った気がした。

 一瞬ドキッとした。

 振り向いて見た時には、その人はもうすでに先の方を走っていた。

 朝から素敵な人を見ちゃった。なんか縁起が良い気がする。

 早起きして良かった。

 朝の公園は良いことがある。これから毎朝、ここを通って出勤することを決めて、兄の店へと向かった。


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