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3ヶ月の恋人(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第13章 深まる秋の恋人


 私は夢を見ていた。

大正時代の煉獄杏寿郎さんの生家。
煉獄杏寿郎さんの部屋で、彼の体温に包まれて眠っている。
二人だけの部屋で愛し合った後で、私も杏寿郎様も眠ってしまったんだ。
眠っていたのは時間にすると1時間もないと思うけど、初めての経験でぐったりと疲れた私は、杏寿郎さんの胸に抱かれたまま、幸せな心地で眠りに落ちていた。


目を覚ますと、杏寿郎様はまだ眠っていた。
日頃の激務が体に蓄積されているのか、それとも眠ると決めた時は
集中して眠る癖があるのか、私達の呼吸とは違う呼吸法で眠りに集中しているように見えた。

ただ、その寝顔は、二十歳の青年にしては少しあどけなくて、なんだか可愛いらしくもあり、少年のような寝顔だった。

私は暫くの間、眠る杏寿郎様の顔を見つめていた。
日頃、起きている時の彼は、ピシッとした隊服を着て、眼光は鋭く堂々としていて、どんな事も見過ごさないような隙のない人なのに、今は子供のように安らかな顔をして眠っている。

きっと、安心してるのね。
私だけが知っている、杏寿郎様のこの寝顔。

愛しくて頬に口付けたくて、身体の向きを変えて杏寿郎様の方を向こうとした時、下腹部に鈍い痛みが走る。

ズキッ……。

さっき、杏寿郎様を受け入れた私の中に痛みがあった。
……そうだ…。
私は杏寿郎様とひとつになった。

幸せな痛みが、私の心を幸福で満たした。
私は杏寿郎様のものになれた。







「……んんっ…!」

夢の中の痛みに目を覚ませば、薄暗い部屋のベッドの上。

温かい温もりの中にいた。
目の前にある煉獄さんの美しい胸筋が、呼吸の度にゆっくりと上下している。
煉獄さんは私を腕の中に包むように抱きしめて眠っている。

…夢の中と同じだ…。

私は煉獄さんに抱かれて過ごしたんだ。
足を動かすと、煉獄さんを受け入れた場所に鈍い痛みを感じた。
煉獄さんと愛し合った証の痛みに、胸の中が幸福で満たされる。

愛子さんと私は、今、同じ気持ちを味わっていた。
良かった…。
夢は私に、愛子さんが幸せな時を過ごした事を教えてくれた。


私は煉獄さんの腰に手を回した。
鍛えられて引き締まった煉獄さんのウエストは、惚れ惚れする程きれいだった。

「…煉獄杏寿郎さん、愛してる…。」

小さな声でつぶやくと、また目を閉じた。

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