第11章 すれちがう想い
「俺が、何?」
煉獄さんに聞き返されて、私は少し赤面しながら言った。
「煉獄さんは、最後までしなくて良かったんですか…?」
電話の向こうで煉獄さんが息をしたのが分かった。
「妹子ちゃん、気を使ってくれるのは嬉しいが、失神してしまう恋人に、それ以上何も出来ないだろう。
君を襲いたいなら別だが…。」
煉獄さんは静かに言った。
なんだか申し訳なかった。生徒さんの父兄に会ってまで、コンビニに買いに行ったのに…。
「ごめんなさい」
申し訳なくて謝ると、煉獄さんは優しい声で言った。
「謝る事なんてない。気を失う程、良かったという事で解釈した。
次の楽しみが出来たから、喜んでるよ。
それに、昨夜の君は、本当に…可愛いかった。」
クスッと笑って煉獄さんは言った。
まるで今も、煉獄さんに触れられているような気になってしまう。
「妹子ちゃん、今夜は会える?」
聞かれて私は直ぐに答えた。
「はい!会いたいです!!」
煉獄さんが電話の向こうで笑ってる…。
「じゃあ、今夜会おう!仕事が終わったら電話して。」
「…はい!」
少し恥ずかしくなりながら電話を切った。