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3ヶ月の恋人(鬼滅の刃 煉獄杏寿郎)

第2章 さつま芋タルトのお兄さん


「お借りして、ありがとうございました!」

 私は万年筆を差し出した。
煉獄さんが受け取る時に、また手が触れた。

「では、来週の金曜日に!」

 煉獄さんは笑うと、ドアを出て行った。

「ありがとうございました!」
 
 タイミングを遅れて言ってしまった。
なんかふわふわする。

 注文用紙を切り取り、厨房にいた悲鳴嶼さんに手渡した。
悲鳴嶼さんは、煉獄さんを見ていたらしくて、

「今のお客様は、かなり鍛え上げられた肉体だった。気も、かなり良い。正に、漢、だな! 」

 と、腕を組みながら言った。

「悲鳴嶼さんがそう思うなら間違いないですね〜!」

 と言いながら、ちょっとドキドキしていた。

 さあ!私にはミッションが出来た。
来週の金曜日の今頃、煉獄さんのケーキを無事にお渡ししなければ。


 今日は明日の準備が沢山あったので、7時に終わった。
お兄ちゃんが、私の歓迎会をしてくれると言ったので、ありがたく受ける事にした。でも、明日は土曜日で忙しそうなので、今夜じゃない方が良さそう。来週のどこかで皆の都合の良い日に、夜ご飯を。という事になった。

 公園を歩きながら帰る。
この前のおにぎりのお兄さんは、煉獄さんという名前だった。
フラムに来てくれるって事は、この近くに職場でもあるのかな。
さっき聞いた煉獄さんの住所は、ここからそこまで離れてはいない。
わりと、生活圏が一緒なのかもしれないな。
お客様のプライバシーに入り込むのは駄目だから、そこから先は考えないようにした。

 ただ、さっきの、ふわふわした気持ちは心地良かった。
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