第10章 ※ 二人だけのプール
煉獄さんに耳元で囁かれて、首筋にキスをされた瞬間、私の中がキュッとなった。
「妹子ちゃん…俺の指を締め付けてる…。そんなに気持ち良いの? 」
「…っやっ杏…じゅ…分から…ない…っ…っ…ぁっ! 」
「ほら…妹子の中、熱くなってる…」
「可愛い…」
「…っはぁ…ん…」
痙攣して、身体をゾクリ駆け抜けて行く快感に、脚はまた開き、ピチャッと音をさせながら煉獄さんの指を飲みこんでいる。煉獄さんが長い指を、ゆっくりと挿れる度に、中が優しく擦られる。
私の唇に重ねられた煉獄さんの唇が、私から呼吸を奪って行く。
苦しくて喘ぐと、煉獄さんは私の顔を覆うように近づき、唇を舐める。入ってきた舌は私の舌を絡め取り、ぐっと深くまで犯しながら熱を注ぐようにキスをしてくれた。
私も煉獄さんに応えたくて、何も考えられないまま、舌を絡ませてキスをする。
一度抜かれた煉獄さんの指が、また私の中に深く差し込まれる。
さっきより深い。指は弄ぶように淫らな動きで、奥の方で指先が少し動かされ、痛みにも似た感覚に頭が真っ白になっていた。
「あ……っ…」
私はもう一度、蜜を溢れさせながら煉獄さんの腕の中で果て、身体の力が全て抜けていった。
意識を手離す程の睡魔が襲ってくる。朦朧とした意識の中、煉獄さんの声が聞こえた気がした。
「…愛してる。何度生まれ変わっても…愛してる…君を…」
目覚めた時、一人でベッドに寝ていた。
乱れていたはずの布団に、私は綺麗に寝かされていた。
何も着けてない裸の状態で。
起き上がって、昨夜煉獄さんの指を受け入れた場所に鈍い痛みを感じながら、一緒にいたはずの煉獄さんを探した。
ソファーの前にあるガラスのミニテーブルの上に、煉獄さんからの置き手紙が置いてあった。綺麗な文字で書いてある。
「 妹子さん
おはよう。仕事があるので帰ります。
君も、お仕事頑張ってください。
愛してるよ。
杏寿郎 」
朝の4時だった。煉獄さんが帰ったのは何時なのだろう。
昨夜は、煉獄さんと…。
甘い記憶が甦ってきて、私はペタリと座り込んだ。
熱いシャワーを浴びて、髪を洗う。
鏡の前で首筋を見ると、煉獄さんの付けた跡があった。
指で触れながら煉獄さんを思い出す。
私も愛していると思いながら。