第3章 無限
「不死川さんのおかげで以前までとはいかないけど、笑えるようになりました」
ほのかは眉を下げて笑う
そんな彼女に手を伸ばしたい気持ちでいたが、ぐっと抑える
「俺はただ一緒にいるだけだ」
「それでも、一緒にいてもらえるだけで救われます」
手に持つ湯呑に目線を落としたほのかは儚げだった
自分が彼女の前からいなくなってしまったら彼女は立ち直れなくなるのではないか
脆く壊れそうなほのかの心を守ってやりたいと思う
「ん?どうしました?」
不死川が見つめているとそれに気付き目を合わせる
「なんでもねぇよ」
そう言う顔は優しく微笑んだ