第5章 いざ高専へ
今年も桜が咲く季節になった。
夕凪がもうすぐ高専に入学してくる……はずなんだけど、ちゃんと来るよな?
正月にもう一度、決意が揺らがないよう念押ししようと、五条の屋敷に戻ったけど、そん時夕凪は親戚に会うとかで遠出してて、ついでに父親の墓参りもしてくると言って会えなかった。
あいつに親戚がいたとか初めて聞いた。まぁ気が変わることはないだろ、メールでも電話でも待ってっからって何回も伝えたし、夕凪も、うんって返事してたしな。
だけど、母親の話によると
「なぎちゃん、普通に一般の高校、受験してたわよ。第一志望合格したんだって。すごいよねぇ、頭もいいのねぇ。え、悟、まさか知らなかったの?」
だってよ。
俺には一言もそんな事言ってなかった。何だってんだ、意味わかんねー。高専来るよな? 3月に入ってから電話で本人に確認した。
「オマエ普通の高校受験したんだって? 高専来るんじゃねーの?」
「あぁ、あー、えーっと。あたしちゃんと勉強したからさ、その成果を試したかったんだ」
どんだけ勉強好きなんだ。
まぁでもその高校は蹴ったらしい。高専に面接も来て、既に寮の部屋が用意されてるから入学は堅いだろう。