第15章 エピローグ
ウッソって高い声が入った。釘崎さんだよね? 恵くんに確認すると頷く。エロ動画じゃなかったから近くに寄ってきたようだ。「まさか先生」って声が続く。
「まだ上にいるって、それって高専の在学中に出来ちゃったやつ? それで結婚……まぁ先生ならわかるわ」
「野薔薇、失礼だな、僕は純愛だよ。奥さんを見初めたのは5才の時。そっから結婚だからね。一途すぎな〜い?」
「そんなバレる嘘ダッサ」
「嘘かどうかは恵に確かめてみな。ちなみに、子供は3人ね」
「エー!!」
虎杖くんと釘崎さんが同時リアクションして、音声が割れてる。恵くんが言うには、ここで悟くんは子供が写ってる写真を鼻歌混じりで出してきたらしい。
「んじゃ、軽く紹介するよ。長男は宝ね、8才。名前は奥さんが中学のとき僕のことを宝物って言ったスピーチから取ったの。それから、長女は桜、6才。僕たちの出会いが桜が満開の日で、プロポーズしたのも桜の木の下だったんだよねー。んで、この子が次男の空、3才。僕と奥さん一度離れちゃったんだけどさ、空を見ながらお互いを思い合ってたの。ちなみに気付いてないと思うけど……」
悟くん、なに話してんだろ。あたしでもちょっとひく。まだ、何を言うつもり?
「たから、さくら、そら、って韻を踏んでんの。感動した?」
「先生、誰も聞いてないっすよ。あいつら自販機にジュース買いに行きました」
「あ? こんないい話を聞かないとかないでしょ。今度テストに出すからなー」
「無茶苦茶ですよ」
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