第13章 幸せのピース
夕凪にはたくさんの人間がからんでる。夕凪は口にする。今こんなに幸せなのはこの人たちのおかげだって。
五条家のおかげ
使用人たちのおかげ
母親のおかげ
宝のおかげ
傑のおかげ
そして何より僕のおかげ
でも、気付いてる?
夕凪が最も心を寄せるべき人は、別に存在してるって。夕凪の真ん中にその人がいて、土台から大きく支えてるってことに。
僕と夕凪を繋げた人。
もし気付いていないんだとしたら、それは、年が明けてからオマエに言おうと思ってる。
僕はとある人に言う。
「きっと僕よりも夕凪を愛してたよな。いや、けど僕だって負けねーくらい夕凪を愛してるから。今度、夕凪と一緒に会いに行くから……待ってて」