第13章 幸せのピース
夕凪が言葉を続ける。高専生に会った直後に分家の人間に会ったと言う。それで隠れている場所がわかったのか?って聞いてきた。
その話は夕凪としなくてはならない話の一つだった。いや、むしろ呪術界への報告って意味では、最優先事項だったけど、何となく後回しにしてたんだよね。
夕凪がどうやってあたしを見つけたのかって、さらに話を詰めてくる。
「直哉さんの不審な動きを嗅ぎつけたとか? あの人は宝の無下限呪術が欲しくて奪い取りに来たみたいだったから」
「まぁそうなんだけど、でも……それを知らせてくれたのは、全く予想してなかった奴」
話をする事にした。いずれ真実を明らかにしないといけない。
「夕凪、オマエは会ってんだろ? 違う?」
「え、」
「メールが来たんだよ、僕の誕生日の3日前に」
匿名で届いたメールを見せる。アイヌ連に掛け合って調査したけど、あの北の地とこの人物を結びつけるものは何もなかった。
けどメールを見る限り、夕凪とこの人物が接触してるのは間違いない。
「夏油先輩……」
「やっぱり会ってたのか。京都で探した時、わずかに見えたんだよね。夕凪と傑の残穢が」