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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第13章 幸せのピース




 挨拶を済ませた後、離れへと移動した。悟くんも一緒だ。見ると勉強部屋だったところにベビーベッドや赤ちゃんの生活用品一式が用意されている。

「すごい」

「これでしばらくは不自由ないだろ。本屋敷の結界の中に夕凪と宝の部屋も準備するから、それまでここで」

「うん、ありがと」

 早速宝をベビーベッドに寝かせた。あたしが北海道で使っていたのより大きい。ベッドメリーのスイッチを入れてやると宝が嬉しそうに手足を動かして、くるくる回るメリーを目で追ってる。可愛い。

「ちなみに僕の部屋にもベビーベッドがあるから、僕がいる時は、夜はそっちで」

「うん」

 少しだけ恥ずかしい。まだ婚約前だけど、もう悟くんの部屋に行くのは公認ってことだよね。

「夕凪……」

 名を呼ばれて見上げると、突然、悟くんが上から覆うように抱きしめてきた。背中に回った腕にはいつになく力が入っているような気がする。どうしたんだろ。

「悟、くん?」

「なぁ……もう、どこにも行かないよな?」

 耳元から聞こえた声は、切なげで枯れたような声だった。悟くんが言ったの? って思わず顔を確かめたくなるほどに。さっきまで元気だったのにどうしたの?

  泣いてはいないけどあたしの肩に顔をうずくめたまま動かない。

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