第12章 ★ハワイ旅行
「悟くん、ハワイ楽しかった」
「また連れてってやるよ」
「ほんと?」
「五条家は代々ハワイ好きが多いからなー」
「嬉しい。願い事叶ったのかも」
「何?願いって」
「実はハワイでね……あぁ、ううん何でもない。秘密」
「言えよ」
「願い事は人には話さない方がいいでしょ」
「そこまで言ったら言ったも同然だろ」
言い合いながら、腕の中でじゃれあう。
「明日はいよいよ、当主と奥様に婚約者としてご挨拶だね。緊張するなぁ」
「5才から顔合わせてて、何を今さら緊張すんだよ」
……返事がないと思ったら、夕凪は眠ってた。いつもの可愛いタヌキみてぇな寝顔で。これはアニマルセラピーか?寝顔見てると癒される。優しく髪を撫でたくなる。
夕凪は知らねーだろうけど、僕は以前、家族とハワイに行った時に、南十字星を見つけてこう呟いてたんだ。
「次は夕凪も連れてきてーな」
そして、2年前、オマエと行ったハワイ3日目の朝に、南十字星を見つけてこう呟いた。
「次は、夕凪は僕の妻になってて、子供も連れて家族で来るからな」
あれは、思いを叶える星なのかもしれねーな。ベビーベッドで眠る息子を見ながら、僕もそっと目を閉じた。
【番外編END】