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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第2章 ただそれだけ


 この世に生を受けてから俺はずっとひとりだった。ひとりっていうのは、物理的な意味じゃない。

 最終的に自分しかいないっていう心の中のひとりぼっち。

 大人ってのは正論ばっかり言いやがる。

「子供を守るのは大人の務め」
「弱きを守るのが呪術師」
「五条家のために命をかける」

 でもそんな事いくら言ったって実際オマエらは俺より弱い。護衛に安心なんかしたことない。強い奴だけが生き残る、それが現実。

 俺はいつも最後は自分で自分の身を守っていた。そして、きっとこいつらは死ぬ間際にこう思うんだろう。後悔するんだろう。

――なんでこんなガキを守るために死ななきゃいけないんだって。このガキはひとりでも十分じゃないかって。

 誰も守りたくて俺の事を守ってるわけじゃない。
 
 正論で塗り固められた義務感で大人達は俺を守る。

 
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