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【呪術廻戦】-5歳で五条家に来ました-

第10章 別れ


 五条家のお庭は今、イチョウの木が黄金期を迎えていて、惚れ惚れするほど美しい。木々の葉の色付きもさることながら、あたしはイチョウの落ち葉の絨毯が大好きで、地面が真っ黄色に染まると、わぁーってよく駆け寄っていた。

 懐かしいなぁって言いたいところだけど、イチョウの木を見て真っ先に思い出すのは悟くんのイタズラ。

 悟くんはよく呪力で土に穴を開けていて、あたしはイチョウの木に駆け寄って行くと、ストンとイチョウの絨毯の中に落とされた。いわゆる落とし穴だ。あたしが落ちるのを見て笑ってた。ほんとに酷いよね。

 あたしも悟くんの真似をして、呪力で穴を開けてみたんだけど、悟くんを誘導するんだけど、六眼であたしの落とし穴が見えちゃって、全然引っかからなくて、結局、自分の作った落とし穴に、自分で落ちる。

 悟くんはそれが自分の作った落とし穴に落ちるよりも、2倍面白かったみたいで、馬鹿だよなって声出して笑ってた。

「ちゃんと見てねぇから落とし穴に落ちんだよ」

 悟くんが何度かあたしに言ってた。ほんとにそうだね。悟くんはやっぱりいつだってあたしのことよく見てたと思うよ。











「もうそろそろわかる」

 五条家の遺言に書かれている婚約者について、悟くんはこう答えた。あたしは、ひょっとしたら自分が婚約者なのかもしれないなんて、ポジティブ妄想に取り憑かれて、浮かれポンチになりながら今日も奥様のご用事に付いていく。

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