第5章 いざ高専へ
いや、そうじゃないだろ。好きってこうやって相手を欲しがる気持ちだよな?
なんでオマエはガッチリ閉じ込めてんの? 10年も一緒にいたけどその理由がわからない。
でも少し考えたいっていうんなら、考えたらいい。考えてる間は俺の事、思ってるってことだろ? じゃあ毎日考えてその間ずっと俺の事、思っとけ。
オマエが考えてる間、俺は、任務をこなして、赫を完成させる。最強呪術師になって、ひいじいさんの遺言とか無理強いしてくるやつらに物言わせねぇようにしないとな。
それは親も巻き込む事になるかもしれねぇから今の状態ではまだ力が足りない。
――けど、よくわかんねーけど……これはただの勘だけど……当主も母親も時々夕凪の事を俺と同じように可愛がってるような気がして。オマエは五条家に、本家に守られてるような気がするんだよな。
特に母親。溺愛って言葉は俺より母親の方がしっくりこねーか? 「なぎちゃんどうしてる?」って夕凪の事ばっか聞いてくんだけど。
そんな風に目をかけてるオマエの事を親が悪いようにするとも思えねぇ。
だから、夕凪はさ、五条家のことも俺のこともあんまり深く考えすぎずに、その可愛い笑顔で笑ってて。
……なんて傑が言いそうな歯が浮くようなこと、アイツには言えねーから、こう言うわ。
「考えすぎて眉間にシワ出来るとかマジでダセェーから、ブスだから俺の事考えるなら考えりゃいいけど深刻になんな! 笑いながら考えろ。わかったな」