第1章 出会い
「悟ぼっちゃま!いいお知らせがあります」
いつも側で仕えてる奴が走ってきて何のことかと思えば遊び相手が五条家にやって来るって話。
屋敷の中には同じくらいの年齢の子供がいないから、俺のために在中させるんだと。
俺はてっきり男が来るのかと思ったら、その桜の会に来たのは全員女だった。なんなんだよこれ!?
話を聞くと、男同士だと喧嘩になりやすい上に術式を持った者の場合、さじ加減がわからず、最悪、殺し合いになる事があるらしい。
そんな事から五条家では幼少期の遊び相手は女と決めているって話だった。
馬鹿らしい。女だって関係ねーのに。俺は容赦なくやる時はやるってーのに。
まぁでもその時6歳だった俺はまだちゃんと当主の言うこと聞いていたから、言われたように遊び相手を女たちの中から選ぶことにした。
あいつを選んだのは六眼で見えたから――俺と同じように身体を巡る相当な量の呪力が。
でも遠目から見ただけでは術式を持っているかどうかまでは分からない。
俺は試したくてあいつの着物に蛙を乗せた。俺が知ってる限り女ってのは蛙が嫌いだ。ぎゃーぎゃー騒いで触ることすらできねー。
もし、術式を持ってるんならその力を使って蛙をなんとかするだろ、そんな事を思った。
念のため他の女の着物にも蛙を乗せてみた。だが俺が予想したとおりで、そいつらには特殊な呪力は感じられず、中にはあるやつもいたけど弱々しい。
そんな中、夕凪は目立ってた。