第5章 いざ高専へ
「何が聞きたいー?」って言うから思いついた事を聞いてみる。これまで祓ってきた呪霊の話や、先輩達の術式、学校の行事など。
そして聞くつもりはなかったけど、悟くんがこの1年どんな風に学校で過ごしてきたかを先輩達は話してくれた。ふたりの話を聞いてたら1年間過ごしたくらいの気分になった。もうお腹いっぱいだ。
「たくさん、お話聞かせてくださってありがとうございました! すごく楽しかったです。でもお二人が、その……五条先輩の理解者で本当によかったです」
お礼を言うと家入先輩と夏油先輩は、へ? って言って顔を見合わせている。
家入先輩があたしの方に向き直った。
「理解者は尊の方じゃね? にしてもすごい躾られてんなぁ、尊ってさ、五条の事、どう思ってんの?」
「え? どうって特に何も」
「何も?」
「なんにも」
家入先輩の質問の意図はよくわからないし、あたしも
問3)彼のこと好き?
YES
が現在、あやふやになってるからこれが嘘偽りない返事だ。それに、もし好きだとしてもそんなこと言えない。
「悟のいいところを一つあげるとしたらなんだい?」
「うーん……顔?」
夏油先輩と家入先輩が笑う。変なこと言った? その後もあたしはポーカーフェイスのまま先輩達の悟くんに対する質問に淡々と答えて教室を出た。