第5章 いざ高専へ
あたしは今、テストには出ない問題に向き合っている。
問1)付き合ってる?
NO
問2)両思い?
わかんない。微妙
問3)彼のこと好き?
YES
問4)付き合いたい?
NO
うーん。見れば見るほどややこしい。頭がこんがらがる。これはなかなかの難題だ。
〝好きなのに付き合いたくない〟
とか実に矛盾を抱えてますねー。
なーんて思いっきり人ごとみたいだけど、これはあたしの事だ。高専に入学して早々に、今一度、自分を見つめ直している。付き合いたいがNOなのはこれまでの関係が変に崩れるくらいならこれでいいと思ってるから。
実を言うと、問3)彼のこと好き? の回答も本当にYESなのか見直してる。
おい、ふりだしに戻ったのかい!? なんて言わないで。だって、悟くんが……あたしの事、ぜんぜん大事にしてくれないんだもん。過度に期待しすぎたあたしがちょっとヘソを曲げている。
「待ってっから」って何度も言ってた悟くん。そんな悟くんが、実際に腕を広げて「夕凪〜」なんて待っているなんて別に思ってない。
そこに飛び込んでいってあたしと悟くんがぎゅーっなんて少女漫画みたいな絵面を想像したら正直、笑っちゃう。これはあくまでイメージなの。手を広げて待っててくれてるっていうイメージ。