第3章 堀川くんに同行をお願いした
刀解の場所まで3人で歩き、誰かと会うこともなかった。
こちらの堀川くんとは違いジャージ姿の堀川くんは下を向いていた。
目が合い、苦笑が帰ってきた。
「心配ですか?大丈夫ですよ。早く終わらせたいんでしょう?」
「!……分かりますか」
「僕の主さんみたいです。心配性で」
ここの堀川くんもしっかりしている。
はは、と笑う堀川くんに、もどかしい思いをしてしまう。
……私の本丸に連れてきてはいけないのだろうか?
肩をポンポン、と叩かれ振り向くと、首を横に振る堀川くん。
そうか……ここの堀川くんは、ここの主だけに仕えているのだ。
私が引き取っても、元の主の事をずっと気に病んでしまうだろう。
なら、刀解されもとに戻ったほうが堀川くんのためなのだ。
「……せめて」
最初は蚊の鳴くような声だった。