第3章 堀川くんに同行をお願いした
「なんとなく分かったよ」
自分の本丸へ向かいながら答えた。
「堀川くんは主の私のこととても大切に思ってくれてるんだね。だから後よりも先が良かったんだ」
堀川くんは頷いて、目を伏せた。
「うん……わがまま聞いてもらっちゃってごめんなさい」
「わがままなんかじゃないよ。真っ当なことだよ。私にも大切な人が居て、別れなくちゃいけないなら、それに記憶が残らないなら……すぐに別れるよ」
「主さんにも大切な人っているんですか?」
「大切な人?い……」
堀川くんの目が暗くなったことに気づいた。
どうしたの――と聞こうとしたが、嫌な予感がした。
「居たら……教えて下さい。僕……」
声のトーンがどんどん低くなる。
あれ?もしかして……私の堀川くんは……ものすごく愛が重いタイプ?